部下・後輩が育たないのは上司・先輩の責任!指導のノウハウ取得できる「教える技術」

仕事

社会人も数年経過すると、部下や後輩を教える立場を経験する人も多いはず。
あなたが今まで教えた人はどうだったでしょうか?

「教えたことを実行してくれない」
「全然仕事ができるようにならない」

なんて思っているのではないでしょうか。

確かに本人の努力不足が原因で伸びないこともありますが、実際の原因は指導者側にあるのが大半です。
具体的には、教わる人間が何をするのか、行動にまで落とし込めていないのが原因です。

その原因を教えてくれたのは「教える技術 行動科学を使ってできる人が育つ!」という本なのですが、今回はこの本の内容をベースに指導の極意を説明していきます。

「教える技術 行動科学を使ってできる人が育つ!」とは?

まずは読んだ本について説明していきます。
僕が読んだ本は、石田淳さんの「教える技術 行動科学を使ってできる人が育つ!」です。

持っているのはこの通常版です。
難解な文章も全然なく、サクサクと読んでいくことが可能。

とはいえ、もっと気軽に読みたいのであれば、こちらのマンガ版が良いでしょう。

部下や後輩が思ったように育っていないなとか、指導方法がよく分からないといった人にぴったりの内容だと思います。
通勤中にゲームをしたり、芸能ニュースを読んで無駄な時間を過ごすくらいなら、こちらの本でも読んでみてはどうでしょうか。

人間が伸びるカギは行動を決定することにある

この本は、現在では指導の標準として定着した「コーチング」について書かれた本です。

本の中の重要な内容を抜粋します。

―――「教える」とは、相手から”望ましい行動”を引き出す行為である―――

学び手に身につけてほしいのに、できていない行動ができるようにする

学び手の間違った行動を、正しい行動へ変える

抜粋したすべての文章に「行動」という言葉が入っていますね。
つまり、指導者は、学び手が行うべき具体的な行動を決定する要があるということです。

でも、かつての僕の指導は行動に全く着目できておりませんでした。
具体的には、僕が部下や公開を指導するときには以下のようなことを行っていました。

  • 学び手の抽象的な気持ちを表現する言葉で納得している
    例:「C言語を頑張る」とか「Javaを習得する」でOKとしている
  • 行動とは程遠いアドバイスで指導した気になっている
    例:家で勉強したらどうかというアドバイス

こんな状態では結果がどうなるか明白ですよね。

実際、学び手側は何ら具体的な行動を定めることはなく、ずるずると時間が過ぎていきました。
僕の方も、「こいつは言ってもやらない。なぜできないんだ?」などと、教育できない先輩の見本ともいえる存在となり果てたわけです。

でも本当にやるべきことは以下のことです。
「Java言語を習得する」を例にとって挙げます。

  • 何をもって習得とみなすかの基準の設定
    例:SpringBootを使用したオリジナルのWebアプリケーションの作成
  • 基準に沿うまでにすべきことの設定
    例:書籍を1冊購入して書いてある内容をすべて通す
  • 開始時期、終了時期の設定
    例:2021年4月開始、2022年3月終了

最低限この辺りまでは決定し、達成具合を月1回ほどフォローしていけば、上司としてはやるべきことはやったといえるでしょう。

行動に関する重要な3つのポイント

行動が大事だということは分かりました。

では、行動はどうあるべきか?
また、それ以外に気を配るべき点は?

本に書かれている要点を、もう少しピックアップしていきます。

行動はどうあるべきか

1つ目は行動はどうあるべきかについてですが、MORSの法則に従うことが記されています。

  • Measured 計測できる
  • Observable 観察できる
  • Reliable 信頼できる
  • Specific 明確化されている

数値が出てくれば、相応しい行動を設定していくことが可能になるので、この点は特に強く意識しておかないといけませんね。

目標の設定方法

2つ目は目標の設定方法ですが、以下になります。

  • 目標は少し高めに設定する
  • 長期目標にはスモールゴールを設定する

要所要所にゴールを設け、自分の出来栄えをチェックしていくことが重要ということです。

また、目標は高過ぎても低過ぎてもパフォーマンスが落ちるので、自分ができるだろうなと思うところより少し高めが必要ですね。

上司としての振る舞い

3つ目は上司としての振る舞いですが、以下の通りです。

  • 相手を褒めることが重要
  • できる人でも任せっぱなしにしない

子どもだけでなく、大人だって褒められたいのです。
また、できる人でも任せっぱなしにした場合は、パフォーマンスの低下や最悪は退職に繋がるリスクが存在します。

上司の方が、定期的に声をかけることを忘れないようにしましょう!

なぜ上司や後輩は指導できないのか?

ちなみに、昔の僕のように上手く指導ができない人間がいるのはなぜでしょうか?
それは教え方を教わっていないからだと思います。

実際、僕がいた会社は教育マニュアルや方針のようなものもなく、各個人の力量に委ねられておりました
しかしながら、やるべきことが文書化されていないのは明らかにNGです。

また、優秀な人ほど他人にも同じ優秀さを求めてしまって、できない人の気持が分からないことも多々あります。
優秀な人に指導を任せるときほど要注意です。

教える技術のチームリーダー編

ご紹介した「教える技術」ですが「チームリーダー編」もあります。

元々の教える技術は、対個人で書かれているので、これを対チームに応用したものですね。

30代くらいからは自分のチームを持って動くことも増えてくるので、対チームの中心となっている人はこちらの方が良いでしょう。
自分のチーム運営に役立つ情報が掲載されているはずです。

最後に:行動でアウトプットすることに着眼する

人を育てるのはとにかく難しいことです。

僕がこの本を読むまでに指導した4名ですが、全員一人前とはいえませんでした。
逆に、本を読んだ後に指導した1名については、2年目には一人で仕事できるようになっていました。

もちろん本人のセンスや努力もありますが、やはり取り組みの違いが大きく影響していたのだと思います。

TwitterなどのSNSを見ていると、行動を具体的に書いて勉強に取り組んでいる様子がうかがえます。
よくインプットとアウトプットといいますが、アウトプットできるものを具体的に定めて、行動に落し込みましょう。

今回紹介した「教える技術」も、行動に着目した教育のノウハウが載っている良本です。
後輩や部下との接し方だけでなく、自分の今後の指針にもなりますので、未読の方はぜひ読んでみてください。

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